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第14章 【終】俺の彼女の活躍
ありもしないセクハラ?

罪を着せた?

(違う……っ……違う!)

必死に首を振る愛里咲。上手く言葉が返せない。


「しらばっくれんな!」

再び振り下ろされた芙美の手を、愛里咲は身体を捩って避けた。

その身体を、白取が羽交い締めにする。


そして、

バチン‼︎

無遠慮に振り下ろされるビンタ。


「琉を奪って、今度は敏友まで奪うの⁉︎ 私の幸せ、返せ‼︎ 」

車内には、芙美の怒鳴り声とビンタの音が何度も響いた。


「はぁっ…はぁっ……も、疲れた」

息を乱す芙美。ジンジン痺れる右手を、労わるように左手で包む。

少し手が濡れているのは、愛里咲の頰を幾筋も流れ落ちる涙のせいだ。


頬を真っ赤に腫らし、グッタリとする愛里咲。

満足げに笑った芙美の目の前で、

白取は、その両手を捻じり上げ後部席のヘッドレストに手錠のようなもので固定した。


「や、めて……はな…して……」

抵抗の言葉を吐き出した愛里咲の口に、

「ん、グッ⁉︎ 」

白取は、拳大のタオルのようなものを突っ込み、髪も皮膚も構わずガムテープで塞いでいく。


「っ、ふ…ぅ」

時折漏れる愛里咲の声は、次第に嗚咽に変わる。


「ね、ねぇ…敏友?
これはやり過ぎじゃない?」

テレビドラマの誘拐犯のようだと、恐る恐る声を掛けた芙美に、

「出て行け」

白取は冷たく言い放った。


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