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第2章 弟の嫁さん
愛里咲の腕の中でグズグズしていた陽向は、ベッドに降ろされる事が分かったのか大きな声で泣き始めた。


「ごめんごめん、陽向。ちょっとだけ待っててね」

愛里咲の声掛けが分かったかのように、陽向は更に泣き声を大きくする。

「あー…俺が抱っこしてるよ」

思わず両手を差し出した翔。

「あ、ありがとうございます!」


その手の中に、小さな身体が預けられた。

同居して2週間。

独身の翔もようやく赤ん坊の抱っこに慣れてきていた。



「琉は?」

「あ、今日は遅くなるみたいです」

そんな愛里咲の言葉に、心臓が小さく跳ねる。


「りゅ…琉って、モテるでしょ? 心配にならない⁈ 」

またしても直球をぶつける。

驚いたのか、愛里咲は一瞬目を瞠った。


「心配…だけど……自惚れてる自分も、いるんですよ」

そう言って、そっと胸元を触る愛里咲。

そこには、琉が手作りしたというネックレスが光っていて、翔の胸はズキンと鈍く痛んだ。

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