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コンプレックス
第3章 弟の会社

「へぇ、じゃあ今日は琉くんお休み取ったんですか?」
話題はいつの間にか、琉と愛里咲の双子の話になる。
今日は双子の生後1ヶ月の検診。
愛里咲1人で連れて行くつもりだったが、琉が当然のように休みを取ってあり、朝から母親が琉を褒めちぎっていたという話を、翔は楽しそうに話していた。
「そうそう、何だかんだいいパパしてんだよ」
「へぇ、愛里咲が羨ましいなぁ」
渚の言葉に、翔はハッとして少し慌てた。
(槙野さんは琉が好きなのに、こんな話…っ)
「ごめん…無神経だったね」
「いえ! この前夏川さんに話を聞いてもらってから、ちょっと吹っ切れてきたみたい」
───琉の事は高校の頃から好きだけど、琉と愛里咲の仲を壊すつもりなんてない。
愛里咲を妬む事で、身動き取れずにいる自分を正当化しようとしている───
先日 渚と話した内容を思い出し、翔の胸がまたチクリと痛んだ。
「ふふっ、なんだかんだ琉くんもいいパパだけど、夏川さんもいい”伯父”してますよ。双子ちゃんの話をする夏川さん、すっごい優しい顔してる」
渚の言葉は、翔の心を一々ぶち抜く。
確かに1ヶ月同居しているうちに、陽花にも陽向にもすっかり情が移っていた。
笑顔のタイミングを狙って長時間携帯のカメラを構えていたり、ようやく撮れた笑顔の陽花の写メは大事に保存していたりする。
耳まで赤く染め上げた翔は、それを隠すように俯き、残りのパスタをラーメンのように一気に啜った。
話題はいつの間にか、琉と愛里咲の双子の話になる。
今日は双子の生後1ヶ月の検診。
愛里咲1人で連れて行くつもりだったが、琉が当然のように休みを取ってあり、朝から母親が琉を褒めちぎっていたという話を、翔は楽しそうに話していた。
「そうそう、何だかんだいいパパしてんだよ」
「へぇ、愛里咲が羨ましいなぁ」
渚の言葉に、翔はハッとして少し慌てた。
(槙野さんは琉が好きなのに、こんな話…っ)
「ごめん…無神経だったね」
「いえ! この前夏川さんに話を聞いてもらってから、ちょっと吹っ切れてきたみたい」
───琉の事は高校の頃から好きだけど、琉と愛里咲の仲を壊すつもりなんてない。
愛里咲を妬む事で、身動き取れずにいる自分を正当化しようとしている───
先日 渚と話した内容を思い出し、翔の胸がまたチクリと痛んだ。
「ふふっ、なんだかんだ琉くんもいいパパだけど、夏川さんもいい”伯父”してますよ。双子ちゃんの話をする夏川さん、すっごい優しい顔してる」
渚の言葉は、翔の心を一々ぶち抜く。
確かに1ヶ月同居しているうちに、陽花にも陽向にもすっかり情が移っていた。
笑顔のタイミングを狙って長時間携帯のカメラを構えていたり、ようやく撮れた笑顔の陽花の写メは大事に保存していたりする。
耳まで赤く染め上げた翔は、それを隠すように俯き、残りのパスタをラーメンのように一気に啜った。

