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第1章 弟が父親になった

「どっちに似てる？」

「は………？」

無言のまま、ジッと翔を見つめる琉。


(なんだこいつの目。ヤバイ…弟相手にドキドキする)

琉に見つめられ、翔の顔が熱くなる。

(ていうか、何でそんな見つめてくんの？ なんか恥ずかしい)

思わず目を閉じてしまった翔。


「…………俺」

既に翔に背中を向けていた琉。ボソッとそう言って立ち去る。


(………は？)

ポカンとその背を見送る翔。

(ああ！ ”俺に似てる”って事か)

ようやく琉の言葉の意味に気付いたようだ。


(て言うか、何照れてんだ、あいつ)

その瞬間の琉の顔を想像して、翔は思わず噴き出していた。