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第4章 俺は琉じゃないよ?

はぁー…っと、琉の口からため息が零れる。
「兄貴は関わるなって言っただろ」
威圧的な弟に、いつもなら怯む兄。だが、言い返さずにはいられない。
「……いくらお前の奥さんだっていってもさ、身内になったんだから、俺だって心配なんだよ」
”義兄として” 愛里咲が心配なのだから─────…
ふー…っと、再び息を吐く琉。
だが、先程のような不機嫌さは含まれていないように思える。
「白取さんが関わってんのは気付いてんだろ?」
「あ? ああ」
「今の兄貴にとって、結構デカイ取引相手なんだろ?」
「そうだけど」
「……いろいろ知ったら困るのは兄貴だろ」
─────は?
「え? 俺のため…とか……?」
「……気持ち悪い事言うな」
スッ…とまた冷たく目を細めれば、翔に背を向けた琉がドアの方へと歩き出す。
(うわぁ…何か変わったなぁ、こいつ)
驚きに見開かれた目で琉を見つめていれば、ドアの前でピタッと琉の動きが止まった。
「……ありがとな」
「は?」
「渚が来てくれてすげー嬉しそうだったし、愛里咲の気も多少紛れる」
「兄貴は関わるなって言っただろ」
威圧的な弟に、いつもなら怯む兄。だが、言い返さずにはいられない。
「……いくらお前の奥さんだっていってもさ、身内になったんだから、俺だって心配なんだよ」
”義兄として” 愛里咲が心配なのだから─────…
ふー…っと、再び息を吐く琉。
だが、先程のような不機嫌さは含まれていないように思える。
「白取さんが関わってんのは気付いてんだろ?」
「あ? ああ」
「今の兄貴にとって、結構デカイ取引相手なんだろ?」
「そうだけど」
「……いろいろ知ったら困るのは兄貴だろ」
─────は?
「え? 俺のため…とか……?」
「……気持ち悪い事言うな」
スッ…とまた冷たく目を細めれば、翔に背を向けた琉がドアの方へと歩き出す。
(うわぁ…何か変わったなぁ、こいつ)
驚きに見開かれた目で琉を見つめていれば、ドアの前でピタッと琉の動きが止まった。
「……ありがとな」
「は?」
「渚が来てくれてすげー嬉しそうだったし、愛里咲の気も多少紛れる」

