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シーツのお供
第5章 愛しい私のご主人様
気が付いたのは、ふかふかのベッドの上でした。


薄暗い部屋にかちゃかちゃとキーボードを叩く音が聞こえ、目を覚ましました。


肌触りのよいシーツの波を縫って音のする方に目を向けると、ご主人様がお仕事をしてらっしゃいました。



「やあ桜子。気分はどう?」


ご主人様の低く落ち着いた声が聞こえます。




「…ぃ…わ、…せん…」



自分でも驚くほど声が掠れていました。



「ふふ、無理もないね。あれだけ叫べば」



ゆっくり振り返ったご主人様は、パソコンの画面にうっすら照らされて、ふわりと微笑みました。



「これを飲みなさい」



渡されたのは白湯でした。


「頑張ったね桜子。いい子。大好きだよ」





ああ…私はこの、暖かくて優しい手に撫でてもらえるのなら、なんだって致します。

ご主人様のために…。

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