パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第2章 ハブの毒牙

「社長、俺に指揮をとらせてくれないか……」
専務である聡一郎は父親に進言した。
理由は会社の古参である重役たちが経営方針の転換に納得しないということだった。 工場を閉鎖することは大勢の社員のリストラをともなう痛みがあったからだ。 そして父親と一緒に会社を興したその重役仲間を、父親が切れないと思ったからだ。
社長である父は引退を決意した。 相談役や会長職に残ることもなかった。 心情的に自分だけが会社に残る気になれなかった、そして聡一郎に気を使わせたくなかったというのが本音だった。
だが、周囲からすればそれは息子の会社乗っ取りのようにみえる。 聡一郎はあえてその風当たりも否定しなかった、そして誤解を生んでしまったのだ。

そしてある事故が起きた。