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近くて甘い
第57章 紳士と獣

片眉を上げた要が、毎度の困り顔を見せている酒田を見下ろした。
「どうした…何か不都ご──」
「んっ…」
部屋から漏れた真希の甘い声に、要は言葉を止めて目を見開いた。
耳をすませば、二人の唇が濃厚に絡んでいるのが容易に想像出来る…
はぁっと肩を落として呆れた表情を見せた要に、酒田はアハハ…と笑いを引きつらせた。
「……と、まぁ、言わずもがなな状況でございまして…」
「ったく……」
腕時計を見た要は会議の時間が迫っていることを確認すると、先ほどの酒田同様、覚悟をしたような表情をして、ドアをノックした。
それも、ウ、ウン、とわざとらしい咳払いも付けて。
だが、中からの返事はない。
要がチッと小さく舌打ちをすると、酒田はいつもは見せないほど苛々を見せている要の様子に冷や汗を流した。
やはり、恋人が出来たとは言え関根さんの中で真希さんは特別な存在なことに変わりはないのだろうか…
だから社長とイチャイチャとしていると、腹立つのか?
そんなことを考えていた次の瞬間。
バタン!!!っと大きな音がして、酒田は身体を跳ね上がらせると、強引に要が扉を開けたという事実に驚愕した。
「どうした…何か不都ご──」
「んっ…」
部屋から漏れた真希の甘い声に、要は言葉を止めて目を見開いた。
耳をすませば、二人の唇が濃厚に絡んでいるのが容易に想像出来る…
はぁっと肩を落として呆れた表情を見せた要に、酒田はアハハ…と笑いを引きつらせた。
「……と、まぁ、言わずもがなな状況でございまして…」
「ったく……」
腕時計を見た要は会議の時間が迫っていることを確認すると、先ほどの酒田同様、覚悟をしたような表情をして、ドアをノックした。
それも、ウ、ウン、とわざとらしい咳払いも付けて。
だが、中からの返事はない。
要がチッと小さく舌打ちをすると、酒田はいつもは見せないほど苛々を見せている要の様子に冷や汗を流した。
やはり、恋人が出来たとは言え関根さんの中で真希さんは特別な存在なことに変わりはないのだろうか…
だから社長とイチャイチャとしていると、腹立つのか?
そんなことを考えていた次の瞬間。
バタン!!!っと大きな音がして、酒田は身体を跳ね上がらせると、強引に要が扉を開けたという事実に驚愕した。

