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近くて甘い
第14章 お願いの仕方 〜光瑠の場合〜
目の届かないところに行ってしまうことの不安が光瑠を襲う。


目の届く場所にいたとしてもどこかに行ってしまうのではと不安だというのに…。


光瑠はそっとジャケットのポケットを上から触った。


どうしようか迷っていたが、やはり──



グラスの中の酒を見つめたあと、光瑠は身体をソファーから起こして真希を見た。


「隼人は…部屋にいるのか。」


「隼人?えぇ、メイドさんたちに手伝ってもらって荷造りしていると思います。」


「………そうか」


グラスをテーブルに置いて立ち上がった光瑠をみて、真希が首を傾げる。


「何でですか?」


「っ…いや、ちょっと様子を見てこようと…」


「様子っ?光瑠さんが隼人の荷造りの様子を??」



信じられないと言いたげな顔に光瑠は片眉を上げた。



「なんだ、俺が義理の弟の心配をして何が悪い」
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