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近くて甘い
第14章 お願いの仕方 〜光瑠の場合〜
そしてまた隼人も、よく分からないと言った様子で顔をしかめていた。


困った光瑠は最後の手段に出た。


お願いの仕方は人それぞれである。


「…とにかく……お前が約束を守ったら、何でも買ってやる」


「なんでもー!?じゃあカード100枚っ!!」


「カード…?なんだ、今の流行りはカードか」


「うん…!」


「お前はほんっと飽きやすい性格だな…」



呆れたように光瑠は笑うと、ベッドから立ち上がって隼人を見た。


「分かった…100枚でも1000枚でも買ってやる」


目をキラキラさせた隼人の頭に手をのせながら、ただし!と光瑠は言葉を加えた。


「“約束が守れたら”の話だ。出来るか」


「出来るっ!」


大きく頷いた隼人はベッドに潜り込む。


これを買収と世間では言う───


光瑠はほっとしながら布団とかけてやると、そのまま部屋から出ようとノブを掴んだところで、振り返って隼人を見た。
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