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近くて甘い
第17章 社長夫人は高校生っ!
周りにいた同じグループの人たちは震え上がると、未だに咳き込む彼の身体を支えて、すみませんでしたっ!と叫びながら店を出て行った。



「あっ!お客さん!お支払い────」



静かになったお店の中で、ゆかりさんの声と扉のしまる音だけが響いていた。


「ふぅ…」


肩を下ろしながら振り返った要さんは、襟元を正しながら、またニコニコした顔でこちらの方へ向かってきた。


絵になりすぎるっ…


私の鼓動は、もうごまかせないほど、ドキドキと速まっていた。



「随分と“穏便な”解決方法だな…」


「───暴力で解決するのは嫌いですから…」


「なるほど…説得力があるな…」



すれ違うときに、光瑠さんと要さんが少し笑いまじりに会話する。



「あと────」



光瑠さんが何か言いかけると、要さんは足を止めた。



「お前は一生真希に触れることを我慢しろ」


片眉を上げた光瑠さんは少し不機嫌そうだった。



「それは…


無理ですね」



「あっ…」


突然要さんと目が合って、私は思わず声をもらしてしまった。

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