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近くて甘い
第17章 社長夫人は高校生っ!
えっ…!?


いつも穏やかな要さんのその乱暴な行動に私だけでなく、光瑠さんも酒田さんもびっくりして目を見開いていた。



「いだっっ!ちょっと何するんだっ!!」


「俺がこんなにも真希さんに触れるのを我慢しているというのに、お前がその汚い手で簡単に真希さんに触れたと思うと、

どうも腹が立ってね」


「うっ…」



声を詰まらせたお客さんは顔を歪ませた。


いつも一人称は“僕”なのに“俺”になっていて、相当要さんが怒っているのが分かった。



「ふっ…助けたとでも思って油断したのか?」


「やめっ…息がっ…」



要さんは、彼の襟元を掴んだまま、ズルズルといとも簡単にお客さんの身体を持ち上げていった。



「俺だってお前を殴りたいし殺してやりたいけど、」



息が出来ないのか、お客さんは足をじたばたさせて必死にもがいている。



「─────それじゃあ、手が汚れるからね」



要さんがパッと手を離すと、お客さんは崩れるように倒れて激しく咳き込んだ。




「目障りだ────


早く消えろ」




乱暴にそう言い放ち、立ったままそのお客さんを見下ろす要さんは、

今まで見た事がないほど怖かった。



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