この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
近くて甘い
第27章 キスの責任
「新入社員のくせにあまりでしゃばるなっ!」




グッと香純に迫った光瑠。



唇を噛んだ香純は、ボロボロと涙を流す。


もちろんその涙が演技であることに、動揺する光瑠は気付かない。




「“今回の事は”噂で聞いただけでっ…」



「何だその言い方はっ!今回も何もないだろがっ!この前の事だって結局お前のデタラメで───」


「デタラメなんかでは…きゃっ!」



「社長っ!」



意見を押し通そうとする香純に、光瑠はついにキレて、香純の手首を掴むと、慌てて要がその間に入った。




「関根っ!何故かばうっ!」


「っ……」



口を結んだ要は、かすかに震えた。



これ以上にない罪悪感に、何も言葉が出ない…



要に庇われた香純は嘘の涙で頬を濡らしながら、またほくそ笑んだ。



要の手が、勢い付く光瑠の胸に当てられている。



お人好しにも程がある…



光瑠は要が真希を想いながらも身を引いたことを分かっている。


そして信頼する部下だからこそ、その香純の戯言に腹を立てていた。



光瑠はつっかえているその要の腕を掴んで、要を見つめた。



「お前は、こんな何も知らん社員にあることないことを言われて──」


「申し訳ありませんでした……」



言葉を遮りながら、俯いた要の小さな呟きに


光瑠は目を見開いた。




申し訳ありませんでした…?




「…………それは…どういう意味だ」



「…彼女の言う通りです……」


「────…」


「彼女の言う通り…僕は…」




何を言っているんだ?


顔を下げたままでいる要の頭を、眺めながら、光瑠は頭の整理をしていた。
/1187ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ