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近くて甘い
第37章 立つ悪女は跡を濁す
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「あなたに言いたい事があったから電話をしたんです!」




要さんの力強い瞳と声に、私はうまく言葉が返せなかった。




「あなたは誤解をしています!」



「何の話ですかっ…」




胸はズキズキ痛んだまま。

友だちとメイドさんに囲まれて、なるべく余計なことを考えないようにしながら衣装を縫っていた時間が、消えて行く…





「社長はあの日───」



「やめて下さいっ!!!!!」




その話だけはどうしても聞きたくない。




もう何も見たくない。聞きたくない。




あの日の事は





「思い出したくないんですっ…」




「真希っ…落ち着いて!」




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