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第37章 立つ悪女は跡を濁す

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「間違えたんですねっ…──」




ぎゅっと目を瞑った要は、黙ったままコクンと頷いた。



ずっと黙っている気でいたあの日の出来事…。





「私っ…そんなひどいことをっ…」



「………あなたが悪いんじゃない──…」




罪悪感などは、感じるべきではない…




「すべては媚薬がさせたこと…」



「っ……」



「そして…

この前の社長の行動も…そうです…」





大きく目を見開いた真希の瞳から、ポロポロと大粒の涙が流れてきた。




「私っ…話も聞かないでっ…まさかそんなことだと思っていなくてっ…！」




顔を覆った真希が泣きじゃくるのを、梨子と愛花が必死で宥める。



その小さな姿を要はもどかしげに眺めた。




「いやっ…光瑠さんっ…ごめんなさいっ…！ごめんなさいっ…」





叫び続ける真希の肩に要はそっと触れた。