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近くて甘い
第47章 淡くて儚い


あの日、とても近くにあった恵美の顔。


くるりと上に向いたまつげ。


微かに感じたあの香り…



そして…



拒否するように俯いたときに見えたつむじ…



その記憶は要の胸を甘く、そして切なく締め付けていた。




俺は…一体どうしたいのだろう…




背もたれに体重をかけて、要は天井を見上げた。



そしてゆっくりと目を瞑ると、吸い込まれるようにして眠りに落ちた。



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