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近くて甘い
第49章 逃げ道
軽く頷いた要は、何かを思い出したような顔をして時計を見た。
……遅いな…
「では、そのようにメールの返事を返しておきます」
「ああ…頼んだ…」
要はそう言いながら、立ち上がって扉を開いた。
酒田は、部屋の外を見渡す要の様子を見ながら、首を傾げた。
「誰かお探しですか…?」
「いや…そういう訳では…」
おかしいなとばかりに首を傾げる要のことを見ながら、酒田も酒田で首を傾げる。
それと同時に、酒田ーー!!!と光瑠の不機嫌な叫び声が有川商事に響いた。