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近くて甘い
第49章 逃げ道
━━━━━━━…


伸びた様子で落ち込む加奈子の背中を同僚の藍が擦った。



「加奈子…?一体どうしたのよ…」


「ハルが来て…ハルのせいで…ハルが…だから私…」



「うん、ちょっと落ち着いて」



苦笑いをした藍は、埒の明かない加奈子の話を静止する。


また副社長絡みかと思ったら、なんか、ハルなんていう新キャラ登場してるけど…



「ねぇ…あの…ハルってだれ…?」



「だから…そのハルが──」



「うるさい。いいからあんたは私の質問にだけ答えて」



笑顔で諭された加奈子は、力なく藍のことを見ると、はぁと溜め息をついた。




「ハルは…私の幼馴染み…」



「幼馴染みね、うん、で?男?女?」



「………男…」




ほぉ…男なのね…



なんだから面白そうに笑った藍は、ゆっくりと加奈子の背中を擦る。




「それで…?そのハルくんがきて?どうしたの?」



ちらと藍の方は見た加奈子は、また大きく息を吐いてひと呼吸置いた。
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