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人妻コレクション~他人に抱かれる妻たち
第7章 麻由子~夫の浮気相手、その夫
3DKの間取りは、麻由子には狭く感じられた。

それは、部屋を暗くしたままのカーテンのせいかもしれない。

既に午前9時をまわっている。

冬ではあるが、外はもう十分すぎるほどに明るい。

だが、ここはまだ闇が支配している。

「すみません、散らかっています」

男は恥ずかしそうにそう言いながら、カーテンを開けた。

ぱっと明るくなった麻由子の視界にとらえられたのは、奥の部屋に敷かれたままの布団だった。

どうやらそこは夫である彼の居住空間のようだ。

万年床を思わせる布団の周囲には、新聞やら文庫本、そしてインスタント食品のケースと思われるごみが雑然と置かれていた。

「失礼」

男は少し慌てたようすでふすまを閉じ、そこに注がれていた麻由子の視界を遮った。

台所のシンクには、皿が山積みになっている。

気が付けば足元にも雑誌やら服やらが散乱し、掃除もされた形跡がなかった。

「汚いですが、こちらにお座りください」

テーブルのそばに空間を作り、男は麻由子に座布団を勧めた。

周囲を見つめながらそこに座り、麻由子は冷ややかに言った。

「随分散らかってますわね」

「お恥ずかしい限りです」

男は台所でお茶をいれながら、麻由子に頭を軽く下げた。

「奥様は家事をされないんでしょうか」

「妻ですか」

「これではまるで、家事は放棄しているようですわ」

無言の男に対し、麻由子は続けた。

「外ではご主人以外の男に手を出して、人の家庭を壊そうとしている。失礼ですが、奥様にはいったいどういう教育をなさっているんでしょうか」

自分でも戸惑うほどの厳しい言葉を口にし、麻由子は少し後悔した。

お茶を運んでくる夫の顔が、明らかに沈痛なものだったのだ。

「どうぞ」

しばらくの間、二人は黙ったままお茶を飲んだ。

そして、男が口を開いた。

「相沢武則と申します。妻とは結婚3年になります」

「・・・・・」

「この度は、妻が大変なご迷惑をおかけしたようで、本当に申し訳ありません」

「以前にも同じようなことがあったんでしょうか」

麻由子は、彼がさっき漏らした言葉からそんなことを疑った。

「夫である私の至らなさが全てです」

「・・・・・」

「妻がお客様とこんなことになるのは、もう3回目です」

相沢武則は、うつむいたまま、話を続けた。
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