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人妻コレクション~他人に抱かれる妻たち
第7章 麻由子~夫の浮気相手、その夫
髪型も服装も気にしないような男の表情を、麻由子はそっと見つめた。

まさか、毎日あの布団で寝て暮らしているのだろうか。

だが、会社員らしい鋭い気配が、まだかすかに漂っている気もする。

よく観察すれば、年齢は光彦よりも若いように感じられる。

かつてハンサムだった男だけが持つ妖しげな色気が、そこにはあった。

そして、何かに苦しんでいるような気配が、相沢武則には強く漂っていた。

「ご存知でしょう、妻が夜の世界で働いているのを?」

「ええ」

「ご主人は恐らく妻にいい”かも”にされたのかもしれません」

「まあ・・・・・・」

「金回りがいいお客様を、妻はそんな風に色仕掛けでつかまえるんです」

「失礼ですが、奥様がそんなことをなさって・・・・・・・」

「もちろん、私としてはやめさせたいですよ。何といっても、私の妻なんですから。別の男と寝る姿は、あまり想像したくはありません」

相沢は麻由子に事実を伝えるように、悪びれもなくそういった。

それが、麻由子の怒りを増幅させた。

「それでもご主人なんですか?」

「すみません。何といっても、稼いでいるのは妻ですから」

「とおっしゃいますと?」

「私は現在無職なんです。妻は昼間はスーパー、夕方からキャバクラ、と働き続け、私を養っているんです」

麻由子はあっけにとられたように相沢を見つめた。

会社員だった彼は、妻に甘えるように仕事を放棄し、日がな一日、のんきに寝て暮らしているのだ。

散らかった室内が、麻由子には納得ができた。

「随分いいご身分ですわね」

麻由子は、彼の妻に対する怒りをぶつけるように、相沢武則に言った。
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