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人妻コレクション~他人に抱かれる妻たち
第7章 麻由子~夫の浮気相手、その夫
その朝、麻由子はあてもなく外出した。
いや、行先は決まっている。
だが、麻由子はそれを何となく、認めたくはなかった。
相沢かすみに会うのだ。
これ以上夫にかかわるなと、強く主張するのだ。
きわめて明確なそんな理由があるのに、麻由子は行先を認めようとしなかった。
それは、本当の理由が別にあることを意味していた。
1か月になる。
相変わらず寒さが厳しい日々が続いている。
厚手のコートにセーター、そして黒色のスカートに肢体を包み、麻由子は通勤電車を乗り継いだ。
相沢夫婦が住むアパートの前に来たのは、午前10時を少しまわったところだった。
かすみは・・・・、いや、いないに違いない・・・・
麻由子は既に、それを確信していた。
ならば、なぜ、私は今日、ここに・・・・・・・。
この前の失礼をあの男に詫びたい。
病身の彼に対し、酷いことを言いすぎた。
麻由子は、そんな自責の念をずっと抱いていた。
寒々とした階段を、麻由子は音を立てて昇っていく。
部屋の前に立ち、耳を澄ます。
猥褻なDVDの音声が聞こえてくることを、麻由子は一瞬恐れてしまう。
だが、室内は無音だった。
いないのかしら・・・・
麻由子は思い切ってドアホンを鳴らし、しばらく待った。
「どちらさまですか?」
唐突に彼の声が聞こえた。
「あ、あの・・・・、速水です・・・・」
「速水?」
麻由子は、前回自分の名前を告げずにここを去ったことを思い出した。
あの女に聞けばいいでしょう、と捨て台詞とともに。
「1か月ほど前に訪問させていただいたものです。あのときは」
「ああ。奥さんですか」
思い出したような口ぶりで、彼はドアを開けた。
相変わらずのスエット姿、そして無精ひげをたくわえた相沢武則がそこにいた。
「どうしましたか? また妻がご主人に?」
「い、いえ、そういうわけでは・・・・」
「では?」
「あ、あの・・・・、近くに来る用事がありましたので・・・・」
「そうですか。あいにく妻は今日もまた」
麻由子は彼の姿を見つめながら、形容できない息苦しさを感じていた。
このまま立ち去るべきだ。
そう思った時だった。
「寒いでしょう、奥さん。よろしければ中でお話しませんか?」
麻由子は、素直に彼の誘いに応じた。
いや、行先は決まっている。
だが、麻由子はそれを何となく、認めたくはなかった。
相沢かすみに会うのだ。
これ以上夫にかかわるなと、強く主張するのだ。
きわめて明確なそんな理由があるのに、麻由子は行先を認めようとしなかった。
それは、本当の理由が別にあることを意味していた。
1か月になる。
相変わらず寒さが厳しい日々が続いている。
厚手のコートにセーター、そして黒色のスカートに肢体を包み、麻由子は通勤電車を乗り継いだ。
相沢夫婦が住むアパートの前に来たのは、午前10時を少しまわったところだった。
かすみは・・・・、いや、いないに違いない・・・・
麻由子は既に、それを確信していた。
ならば、なぜ、私は今日、ここに・・・・・・・。
この前の失礼をあの男に詫びたい。
病身の彼に対し、酷いことを言いすぎた。
麻由子は、そんな自責の念をずっと抱いていた。
寒々とした階段を、麻由子は音を立てて昇っていく。
部屋の前に立ち、耳を澄ます。
猥褻なDVDの音声が聞こえてくることを、麻由子は一瞬恐れてしまう。
だが、室内は無音だった。
いないのかしら・・・・
麻由子は思い切ってドアホンを鳴らし、しばらく待った。
「どちらさまですか?」
唐突に彼の声が聞こえた。
「あ、あの・・・・、速水です・・・・」
「速水?」
麻由子は、前回自分の名前を告げずにここを去ったことを思い出した。
あの女に聞けばいいでしょう、と捨て台詞とともに。
「1か月ほど前に訪問させていただいたものです。あのときは」
「ああ。奥さんですか」
思い出したような口ぶりで、彼はドアを開けた。
相変わらずのスエット姿、そして無精ひげをたくわえた相沢武則がそこにいた。
「どうしましたか? また妻がご主人に?」
「い、いえ、そういうわけでは・・・・」
「では?」
「あ、あの・・・・、近くに来る用事がありましたので・・・・」
「そうですか。あいにく妻は今日もまた」
麻由子は彼の姿を見つめながら、形容できない息苦しさを感じていた。
このまま立ち去るべきだ。
そう思った時だった。
「寒いでしょう、奥さん。よろしければ中でお話しませんか?」
麻由子は、素直に彼の誘いに応じた。