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人妻コレクション~他人に抱かれる妻たち
第7章 麻由子~夫の浮気相手、その夫
相沢武則に進められるがまま、麻由子はコートを脱ぎ、腰を下ろした。

「今、お茶を淹れますよ」

座布団の上に座りながら、麻由子は台所に立つ彼の姿をさりげなく見た。

退廃的な雰囲気は同じだった。

相変わらず働きには出ていないらしい。

彼の布団があるはずの空間に視線を投げたが、そこは襖が閉じられていた。

瞬間的に、麻由子はテレビの周辺を観た。

そこに高く積まれていたDVDのケースは、今日はなかった。

「その後、妻はまだご主人と会ってるんでしょうか」

お茶を運んできた武則が、麻由子にそう聞いた。

「私からこんなことを奥さんに聞くのも変な話ですが・・・・」

ここ最近、夫、光彦の様子に不審はなかった。

帰宅時間も早いし、女のかげをにおわすような雰囲気もない。

「最近はどうでしょうか。よくわかりませんが・・・・・」

「そうですか。何かあれば遠慮なくおっしゃってください」

「ええ。勿論、そうさせていただきますわ」

麻由子は彼を見つめ、そして、手元にある湯のみに視線を落とした。

男が淹れてくれたお茶を飲みながら、麻由子は息苦しさを感じ始めていた。

妙な緊張感、そしてここに自分がいることへの戸惑い。

目の前に座る男の視線が、自分の体に注がれているような気がする。

生身のほうがいいに決まってますよ・・・・・・・

彼がつぶやいた言葉が、麻由子の脳裏に響く。

彼もまた、どこか居心地が悪そうだった。

平日の午前。

外は妙に静かだった。

誰かが階段を下りていく音がし、そして再び静寂が訪れた。

二人が同じことを想像していることを、麻由子は感じた。
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