この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
人妻コレクション~他人に抱かれる妻たち
第10章 菜々姫~囚われた戦国の美妻
「入れ」
鎧姿の数名の武者が、土間の片隅に連れ込まれてきた。
あっ・・・・
鎧に刻まれた藤川の家紋が、菜々の視線に鮮明に映る。
血を流し、足をふらつかせたものもいる。
菜々は、そこに夫の姿があることを恐れた。
だが、夫、勝重はそこにはいなかった。
それでも、菜々は激しい緊迫を感じないわけにはいかなかった。
その中に一人、菜々がよく知る顔がいたのだ。
それは、勝重の側近であり、菜々とも頻繁に接触があった家臣であった。
「この者たちは捕えられた藤川方じゃ」
武者たちが座らされた土間にまで歩き、頭領格の老人は声をあげた。
「この者たちに検分してもらう」
菜々は息を呑んだ。
「そこに縛られたおなごが、主の奥方かどうかを」
盗賊たちに促され、藤川の武者たちが縛られたままで、広間に誘導される。
「奥方様、ご安堵を」
甚八が、低い声で隣にいる菜々にささやく。
「甚八、わらわは・・・・」
「決して心の揺らぎを見せてはなりませぬぞ」
やがて、菜々の家来たちが目の前にまで連行されてきた。
「おふたかた、顔をあげい」
老人の指示に、甚八と菜々は、ゆっくりと顔を動かす。
そして、すぐそこにいる武者たちを無表情に見つめた。
「どうじゃ、このおなごに見覚えはあるか」
老人は、武者たちの僅かな表情の動きを逃すまいとしている。
激しすぎる鼓動と共に、菜々は緊迫の絶頂にいる。
鎧姿の数名の武者が、土間の片隅に連れ込まれてきた。
あっ・・・・
鎧に刻まれた藤川の家紋が、菜々の視線に鮮明に映る。
血を流し、足をふらつかせたものもいる。
菜々は、そこに夫の姿があることを恐れた。
だが、夫、勝重はそこにはいなかった。
それでも、菜々は激しい緊迫を感じないわけにはいかなかった。
その中に一人、菜々がよく知る顔がいたのだ。
それは、勝重の側近であり、菜々とも頻繁に接触があった家臣であった。
「この者たちは捕えられた藤川方じゃ」
武者たちが座らされた土間にまで歩き、頭領格の老人は声をあげた。
「この者たちに検分してもらう」
菜々は息を呑んだ。
「そこに縛られたおなごが、主の奥方かどうかを」
盗賊たちに促され、藤川の武者たちが縛られたままで、広間に誘導される。
「奥方様、ご安堵を」
甚八が、低い声で隣にいる菜々にささやく。
「甚八、わらわは・・・・」
「決して心の揺らぎを見せてはなりませぬぞ」
やがて、菜々の家来たちが目の前にまで連行されてきた。
「おふたかた、顔をあげい」
老人の指示に、甚八と菜々は、ゆっくりと顔を動かす。
そして、すぐそこにいる武者たちを無表情に見つめた。
「どうじゃ、このおなごに見覚えはあるか」
老人は、武者たちの僅かな表情の動きを逃すまいとしている。
激しすぎる鼓動と共に、菜々は緊迫の絶頂にいる。