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人妻コレクション~他人に抱かれる妻たち
第3章 悦子~町内会慰安旅行での出来事
走り去ったバスを見送りながら、明彦は足早に家に向かった。

土曜日とはいえ、仕事が大量に待っている。

この週末は、自宅でずっとパソコンに向かい続ける予定だ。

妻の悦子との間には、今年中1になる息子が一人いる。

家事に忙しい中、妻は町内会活動でもよく働いてくれていた。

明彦は、そんな妻に感謝してもしきれないほどだった。

ここ数年間は仕事が忙しく、ろくに妻の相手もできていない。

夜の営みなど、もうずっとご無沙汰の状態だ。

今日、明日は、そんな妻は家にいない。

「ねえ、ご主人、大丈夫なの?」

家に向かう明彦に、声をかける主婦がいた。

この近辺に長く住む、50代の女性だ。

「えっ、何がですか?」

「やだ、奥様のことよ」

「妻がどうかしましたか?」

立ち止まった明彦は、メガネの位置を直しながら、主婦を見つめた。

「奥様、ほら、皆様に人気でしょう?」

「は、はあ」

「少し聞いたんだけどね、私」

そう言って、主婦は明彦を道の端のほうに引っ張り、ささやいた。

「奥様のことを、何人かの男の人が狙ってるみたいよ」

「妻を狙ってる?」

顔を赤らめながらも、主婦は話を続ける。

「ほら、その・・・・、奥様といいことしたいって、いやあねえ」

そう言いながら、主婦はくすくすと笑いだす。

「この旅行で、ですか?」

「そう。特に加藤さんは要注意。奥様にぞっこんみたいよ」

加藤という男性は40代後半で、界隈でインテリア関連の会社を経営している。

「大丈夫ですよ、妻にかぎって、そんなことはないですから」

「だといいんですけど。でも、奥様もいい年齢でしょう」

「いい年齢?」

「40すぎた頃って、女性もいろいろ感じやすい年齢なんですよ。男性だってそれに気付くはずです」

「はあ・・・・」

「複数の男の方に誘惑されたら奥様だって、ねえ・・・・。いやだ、私、変なこと少ししゃべりすぎたかしら」

そう言いながら、その主婦は足早に明彦のそばから歩き去って行った。

残された明彦は、再び家路に向かった。

今の主婦の言葉を、心のどこかで引きずりながら。
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