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人妻コレクション~他人に抱かれる妻たち
第21章 希実子〜診察室の女医
病院の待合スペースで、西崎は一人、床を見つめて座っていた。
年1回の健康診断。
早朝から始まった検査は、正午前にようやく終わった。
今年49歳になる彼は、今年もまた、文字通り全身を調べてもらった。
過去、何か異常を言われたことはない。
「今年も大丈夫でしょう」
今朝、妻は冷めた口調で彼を送り出した。
2歳年下の妻との間には、今年大学生になる娘が一人。
平凡な会社員として、ここまで歩んできた西崎。
中堅の機械メーカーに勤務し、仕事には何も不満はない。
娘も穏やかに育ち、妻との関係にも結婚以来、大きな問題はなかった。
想像もつかない困難さが待ち受けているこのご時世だ。
自分がいかに幸せな人生を送っているのか、彼は勿論理解している。
だが、この数年間、彼はどこか不足を感じていた。
これが更年期ってやつなのだろうか。
最近、どことなく疲れやすくなった気がする。
漠然とした、今の自分への、そして将来への不満と不安。
いったい何が問題だというのだ・・・・
そんなことを考えるとき、いつも脳裏に浮かぶのは妻の姿だ。
妻との会話が少なくなったのは、いつの頃からだろう。
もう何年も妻を抱いたことがない。
いや、正確に言えば、いつしか妻を抱くことができない体になってしまったのだ。
男性機能に問題が生じるなんて、若い頃は夢にも思わなかった。
だが、西崎は数年前からそれができなくなった。
焦れば焦るほど、彼をあざ笑うかのように、それが硬くなることはなかった。
そんな夫に、妻はしかし、不満を漏らすことはなかった。
それどころか、どこか解放されて、すっきりしたような風にも見えた。
そろそろ診察室に呼ばれるころだ。
ここの病院は、今日の検査の結果について、分かる範囲で当日教えてくれる。
この後、医師から簡単な問診を受け、全ての検査結果を聞かされるのだ。
「いやな予感がするな・・・・」
疲れやすくなっただけでなく、最近胃腸の調子もなんとなくおかしい。
妻との微妙な距離感、そして男としての自信の喪失。
「どうせなら、あれができなくなったことを相談したいものだが・・・・」
ソファに深く座り、彼は腕を組んで目を閉じた。
「そろそろだ」
名前が呼ばれるのを待ちながら、彼は昨年診察を受けた医師のことを思い出した。
年1回の健康診断。
早朝から始まった検査は、正午前にようやく終わった。
今年49歳になる彼は、今年もまた、文字通り全身を調べてもらった。
過去、何か異常を言われたことはない。
「今年も大丈夫でしょう」
今朝、妻は冷めた口調で彼を送り出した。
2歳年下の妻との間には、今年大学生になる娘が一人。
平凡な会社員として、ここまで歩んできた西崎。
中堅の機械メーカーに勤務し、仕事には何も不満はない。
娘も穏やかに育ち、妻との関係にも結婚以来、大きな問題はなかった。
想像もつかない困難さが待ち受けているこのご時世だ。
自分がいかに幸せな人生を送っているのか、彼は勿論理解している。
だが、この数年間、彼はどこか不足を感じていた。
これが更年期ってやつなのだろうか。
最近、どことなく疲れやすくなった気がする。
漠然とした、今の自分への、そして将来への不満と不安。
いったい何が問題だというのだ・・・・
そんなことを考えるとき、いつも脳裏に浮かぶのは妻の姿だ。
妻との会話が少なくなったのは、いつの頃からだろう。
もう何年も妻を抱いたことがない。
いや、正確に言えば、いつしか妻を抱くことができない体になってしまったのだ。
男性機能に問題が生じるなんて、若い頃は夢にも思わなかった。
だが、西崎は数年前からそれができなくなった。
焦れば焦るほど、彼をあざ笑うかのように、それが硬くなることはなかった。
そんな夫に、妻はしかし、不満を漏らすことはなかった。
それどころか、どこか解放されて、すっきりしたような風にも見えた。
そろそろ診察室に呼ばれるころだ。
ここの病院は、今日の検査の結果について、分かる範囲で当日教えてくれる。
この後、医師から簡単な問診を受け、全ての検査結果を聞かされるのだ。
「いやな予感がするな・・・・」
疲れやすくなっただけでなく、最近胃腸の調子もなんとなくおかしい。
妻との微妙な距離感、そして男としての自信の喪失。
「どうせなら、あれができなくなったことを相談したいものだが・・・・」
ソファに深く座り、彼は腕を組んで目を閉じた。
「そろそろだ」
名前が呼ばれるのを待ちながら、彼は昨年診察を受けた医師のことを思い出した。