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人妻コレクション~他人に抱かれる妻たち
第27章 春奈〜夫に依頼されたデート

「デートって、どういうことなの?」
妻の困惑をどこか楽しんでいるような夫に、春奈はそう訊いた。
「文字通りデートさ。いろんなところに彼を連れて行って欲しいんだ」
「いろんなところにって、この街でってこと?」
「ああ」
外国人観光客のグループが、すぐそばのテーブルで賑やかに話し合っている。
人妻はそんな風景を見つめながら、冷えた抹茶で喉を潤した。
「それで、ある男性って?」
いつしか鼓動が高鳴っている。
夫不在の毎日、歯科医助手としてただ働くだけの、どこか単調な生活。
デートというありふれた単語にさえ刺激を感じてしまうほどに自分の肉体が乾いていることに、人妻はまだ気づいていない。
「いつか話しただろう、優秀な部下のことを」
「えっと確か、誠也くんって言ってたっけ」
夫が聞かせてくれたことがある。
東京で夫の部下として働く社員の一人、20代後半のその若者は、真面目に、そして情熱を持って仕事に取り組むタイプで、周囲からの信頼も厚いという。
でも、確か彼には結婚目前の素敵な彼女がいるんじゃなかったかしら・・・。
「誠也が傷心旅行でそこを訪れたいらしいんだ」
夫の話によれば、彼は最近、突然彼女から別れを告げられたということだった。
傷心の彼に夫はどこか旅行にでも行ってくればいいと提案、そしてこの街が行き先として選ばれたというのだ。
「この街のこと、あなたが薦めたの?」
「一度も九州に行ったことがないというからね。それに」
「それに?」
「別れた彼女以上に素敵な人妻がデートの相手をしてくれるからね、そこなら」
思わず顔を赤らめてしまう春奈。
「あなたったら・・・」
「それに、ハンサムだぜ、誠也は」
更に高鳴る鼓動を感じながら、人妻は夫に反撃するように言葉を返した。
「知らないわよ。そんな素敵な彼なら、私、浮気しちゃうかも」
「それは困るなあ。でもできる限り彼を喜ばせてやってくれよ」
「喜ばせるって・・・」
「なにしろ誠也、落ち込んでるから」
そして、夫の話は終わった。
広がる青空、そして遠くに光る海をサングラス越しに見つめながら、春奈は想像する。
失恋したばかりの若者と二人きり、この街で親密に過ごす時間。
彼を喜ばせるって、でも、私・・・・。
人妻は、退屈な日々に確かなアクセントが芽生えつつあることを知った。
妻の困惑をどこか楽しんでいるような夫に、春奈はそう訊いた。
「文字通りデートさ。いろんなところに彼を連れて行って欲しいんだ」
「いろんなところにって、この街でってこと?」
「ああ」
外国人観光客のグループが、すぐそばのテーブルで賑やかに話し合っている。
人妻はそんな風景を見つめながら、冷えた抹茶で喉を潤した。
「それで、ある男性って?」
いつしか鼓動が高鳴っている。
夫不在の毎日、歯科医助手としてただ働くだけの、どこか単調な生活。
デートというありふれた単語にさえ刺激を感じてしまうほどに自分の肉体が乾いていることに、人妻はまだ気づいていない。
「いつか話しただろう、優秀な部下のことを」
「えっと確か、誠也くんって言ってたっけ」
夫が聞かせてくれたことがある。
東京で夫の部下として働く社員の一人、20代後半のその若者は、真面目に、そして情熱を持って仕事に取り組むタイプで、周囲からの信頼も厚いという。
でも、確か彼には結婚目前の素敵な彼女がいるんじゃなかったかしら・・・。
「誠也が傷心旅行でそこを訪れたいらしいんだ」
夫の話によれば、彼は最近、突然彼女から別れを告げられたということだった。
傷心の彼に夫はどこか旅行にでも行ってくればいいと提案、そしてこの街が行き先として選ばれたというのだ。
「この街のこと、あなたが薦めたの?」
「一度も九州に行ったことがないというからね。それに」
「それに?」
「別れた彼女以上に素敵な人妻がデートの相手をしてくれるからね、そこなら」
思わず顔を赤らめてしまう春奈。
「あなたったら・・・」
「それに、ハンサムだぜ、誠也は」
更に高鳴る鼓動を感じながら、人妻は夫に反撃するように言葉を返した。
「知らないわよ。そんな素敵な彼なら、私、浮気しちゃうかも」
「それは困るなあ。でもできる限り彼を喜ばせてやってくれよ」
「喜ばせるって・・・」
「なにしろ誠也、落ち込んでるから」
そして、夫の話は終わった。
広がる青空、そして遠くに光る海をサングラス越しに見つめながら、春奈は想像する。
失恋したばかりの若者と二人きり、この街で親密に過ごす時間。
彼を喜ばせるって、でも、私・・・・。
人妻は、退屈な日々に確かなアクセントが芽生えつつあることを知った。

