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人妻コレクション~他人に抱かれる妻たち
第27章 春奈〜夫に依頼されたデート
その日の目覚めは早かった。

午前6時過ぎ、ベッドに寝そべる人妻の肢体に窓から初夏の日差しが差し込んでいる。

目覚めが早いというよりは、よく眠れなかったと言う方がいいのかもしれない。

「いよいよ今日だわ」

細身の体にシーツを絡ませ、春奈は窓の外にあるであろう青空を想像した。

夫の部下、誠也という名の若者がこの街に今日、やってくる。

彼とデートすることを想像するだけで、人妻はどういうわけか胸が昂り、昨夜は熟睡することができなかった。

「失恋したばかりの若い男性を一人寂しく過ごす人妻が励ますってねえ」

細く長い美脚をベッド上でなまめかしく動かしながら、自虐的につぶやく春奈。

「いったい何をすればいいのかしら」

人妻にはしかし、おおよそのプランがないでもなかった。

九州、そしてこの街を一度も訪れたことがないという彼。

坂道と港、そして新鮮な海の幸で有名なこの街には、観光スポットはいくらでもある。

「羽田からの飛行機到着は午前9時過ぎらしい」

彼のスケジュールは既に夫から聞いている。

待ち合わせ時間は正午、場所は駅にある広場。

週末の土曜日、街はきっと多くの人で賑わっていることだろう。

「デートだなんて、もう何年振りかしら」

そんな言葉を口にしながら、春奈は結婚前の日々ことを思い出した。

歯科医院の同僚たちからも、美しい、スタイルがいいと評判の人妻。

しかし、彼女には夫と出会うまで、男性と交際した経験がほとんどなかった。

積極的に男性との出会いを求めるような女性ではなかったのだ。

「私、経験不足のおばさんなんだけど」

枕元に置いてあったスマホに手を伸ばし、春奈は再び自虐的にそうつぶやく。

夫が送ってくれた1枚の写真、それは人妻のデート相手の姿であった。

海岸で爽やかな笑顔を浮かべる若者。

長身で、夫が言うように確かにハンサムな彼には、しかし、いわゆる遊び人といった軽い雰囲気は漂っていない。

「緊張しちゃうわ、こんな彼とデートだなんて」

写真の中の彼を見つめ、そして春奈はベッドから立ち上がった。

カーテンを開ければ、朝の陽光がベッドルームに溢れかえる。

「さて、と」

人妻は気合を入れるように背伸びをし、キッチンに向かった。

そんな風に始まった一日。

まさかあんなデートになるなんて、その時の春奈は勿論まだ知らない。
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