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人妻コレクション~他人に抱かれる妻たち
第4章 弘子~主婦一人旅での出来事
娘が今春大学に合格し、家庭には一つの区切りがついた雰囲気があった。
だが、夫は家族で何かイベントを企画するようなタイプではない。
いつも考えていることは会社のことばかりだ。
それは仕事だけではない。
弘子は何となく感じている。
最近の夫の周囲に女性の影がちらつき始めていることを。
特定の交際相手ではなく、もっと低俗なレベルだ。
会社の付き合いと称し、夫は女性が接客する店にどうやら頻繁に出入りしているようなのだ。
勿論、それも仕事なのだから、非難するつもりはない。
けれど、弘子はやはりどこか納得できないものがあった。
娘の大学入学、そして夫へのぼんやりとした不安感。
もっと満たされてもいいはずだ、という思いが、もう何年も鬱積している。
私だって、専業主婦として懸命に日々を過ごしてきたのに・・・・・。
夫がもう少し自分にかまってくれたなら、こんな気分にはならなかったのだろう。
女性一人旅、というブームの存在を知ったのはそのころだ。
「あなた、一度、ひとりで旅行しようと思うんだけど」
思い切って切り出した弘子に対し、健治の答えは淡白なものだった。
「いいんじゃないのか。たまには羽を伸ばしてくればいい」
自分も一緒に行こうか、ぐらいのことを言ってくれてもいいのに。
或いは、主婦が一人で旅行なんて危ないからやめろ、とか。
妻への関心などもうないのだろう。
いいわ、それなら一人で存分に羽を伸ばしてきますから・・・・・。
梅雨の谷間の週末、僅か1泊だが、弘子は札幌に行くことにした。
夫は会社の慰安旅行と称して、昨夜から2泊の予定で不在だ。
「じゃあママ、いってらっしゃい。何かあったら連絡してよね」
「ふふふ。どっちが親だかわかりゃしないわね」
一人見送ってくれた娘と別れ、弘子はまだ薄暗い早朝の街に出た。
だが、夫は家族で何かイベントを企画するようなタイプではない。
いつも考えていることは会社のことばかりだ。
それは仕事だけではない。
弘子は何となく感じている。
最近の夫の周囲に女性の影がちらつき始めていることを。
特定の交際相手ではなく、もっと低俗なレベルだ。
会社の付き合いと称し、夫は女性が接客する店にどうやら頻繁に出入りしているようなのだ。
勿論、それも仕事なのだから、非難するつもりはない。
けれど、弘子はやはりどこか納得できないものがあった。
娘の大学入学、そして夫へのぼんやりとした不安感。
もっと満たされてもいいはずだ、という思いが、もう何年も鬱積している。
私だって、専業主婦として懸命に日々を過ごしてきたのに・・・・・。
夫がもう少し自分にかまってくれたなら、こんな気分にはならなかったのだろう。
女性一人旅、というブームの存在を知ったのはそのころだ。
「あなた、一度、ひとりで旅行しようと思うんだけど」
思い切って切り出した弘子に対し、健治の答えは淡白なものだった。
「いいんじゃないのか。たまには羽を伸ばしてくればいい」
自分も一緒に行こうか、ぐらいのことを言ってくれてもいいのに。
或いは、主婦が一人で旅行なんて危ないからやめろ、とか。
妻への関心などもうないのだろう。
いいわ、それなら一人で存分に羽を伸ばしてきますから・・・・・。
梅雨の谷間の週末、僅か1泊だが、弘子は札幌に行くことにした。
夫は会社の慰安旅行と称して、昨夜から2泊の予定で不在だ。
「じゃあママ、いってらっしゃい。何かあったら連絡してよね」
「ふふふ。どっちが親だかわかりゃしないわね」
一人見送ってくれた娘と別れ、弘子はまだ薄暗い早朝の街に出た。