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人妻コレクション~他人に抱かれる妻たち
第4章 弘子~主婦一人旅での出来事
「いいなあ、ママ、北海道か」
娘のさやかが玄関先でうらやましそうにつぶやく。
この春から大学生になった一人娘は、母親に似て細身の長身だ。
すっかり大きくなった娘を見ながら、樫山弘子は笑顔で答える。
「一人旅なんて、ママ、43年の人生で初めてよ」
「へえ、若いころにはいかなかったの?」
「そうねえ、友達とばかり行ってたからねえ」
「パパとは?」
「もう忘れちゃったわ、そんなこと」
母親の言葉に、娘は少し複雑な笑顔を浮かべる。
両親の関係が、もはやそれほどに親密なものではないことを娘は知っている。
勿論、すぐに離婚するとか、そんな危機的な状況ではない。
ただ、子育ても一段落し、どこか醒めた関係というか、達観してしまったというか。
もはや、燃えるような愛情がなくとも、このまま無難に人生を歩んでいける。
夫婦はそんな風な気分にいつしかなりつつあった。
まだ老け込むような年齢ではないのに・・・・・。
でも、かと言って、これからの人生にとりたてて楽しみがあるわけでもないのだ。
弘子が夫、健治と結婚して既に20年が経過した。
健治は今年48歳、大手金融に勤務する会社員だ。
毎晩帰りは遅く、週末はゴルフか家でごろごろしているだけだ。
5歳下の弘子は、結婚後ずっと専業主婦として家事に専念してきた。
そんな弘子が、突然一人旅に出たいと言ったのは、数か月前のことだった。
主婦を中心に女性の一人旅が静かなブーム、というTV番組を見たのがきっかけだ。
娘のさやかが玄関先でうらやましそうにつぶやく。
この春から大学生になった一人娘は、母親に似て細身の長身だ。
すっかり大きくなった娘を見ながら、樫山弘子は笑顔で答える。
「一人旅なんて、ママ、43年の人生で初めてよ」
「へえ、若いころにはいかなかったの?」
「そうねえ、友達とばかり行ってたからねえ」
「パパとは?」
「もう忘れちゃったわ、そんなこと」
母親の言葉に、娘は少し複雑な笑顔を浮かべる。
両親の関係が、もはやそれほどに親密なものではないことを娘は知っている。
勿論、すぐに離婚するとか、そんな危機的な状況ではない。
ただ、子育ても一段落し、どこか醒めた関係というか、達観してしまったというか。
もはや、燃えるような愛情がなくとも、このまま無難に人生を歩んでいける。
夫婦はそんな風な気分にいつしかなりつつあった。
まだ老け込むような年齢ではないのに・・・・・。
でも、かと言って、これからの人生にとりたてて楽しみがあるわけでもないのだ。
弘子が夫、健治と結婚して既に20年が経過した。
健治は今年48歳、大手金融に勤務する会社員だ。
毎晩帰りは遅く、週末はゴルフか家でごろごろしているだけだ。
5歳下の弘子は、結婚後ずっと専業主婦として家事に専念してきた。
そんな弘子が、突然一人旅に出たいと言ったのは、数か月前のことだった。
主婦を中心に女性の一人旅が静かなブーム、というTV番組を見たのがきっかけだ。