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放課後は校舎裏で。
第3章 ✿ 距離
「…先輩?起きてますか?」
「ん…。ああ、来たの?」
それからあたしは毎日、放課後になると
先輩の居る校舎裏に訪れた。
彼は決まって、木陰にある
ベンチで横になっている。
「今日の調理実習で作りました。
良かったら、どうぞ…」
「お、美味そうじゃん」
体を起こした先輩の隣に座り
調理実習で作ったチョコケーキを差し出す。
「ん、甘さ控えめでいい感じだな。
俺が甘いの苦手なこと知ってたの?」
「え…。それは偶然ですっ…」
「全部ちょーだい」
彼はあっという間にケーキを食べ終えると
思い出したようにあたしに携帯を見せた。
「連絡先交換しねぇ?」
「は…、はいっ」
同じように携帯を取り出すと
お互いの連絡先を交換する。
これでいつでも、先輩と話が出来ると思うと
思わずニヤけてしまった。
「嬉しいって、顔に出てるぞ」
「う、嘘っ…//」
頬をツンツンとつつかれ
慌てて、両手で隠すと彼はいきなり
あたしの膝に頭を乗せて来る。
「膝枕して」
「そ、それは…。彼女に頼めば
いいと思いますけど…」
「やだ。柚の膝がいい」
「はい…」