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放課後は校舎裏で。
第3章 ✿ 距離
この光景を先輩の彼女に
見られていたらどうしよう?
そう思いながら、彼を見下ろす。
「彼女と別れてほしい?」
「え…?」
先輩はあたしの髪を指に絡ませ
クルクルと弄び始めた。
だけど、その表情は真剣で。
「…先輩が彼女の事を好きなら
別れる必要ないです…」
「じゃあ、柚は俺が他の女と
エロい事してもいいわけ?」
「…っ…」
彼の気持ちが掴めない…。
「…嫌…です…。当たり前でしょう…?」
「…何で泣きそうになってんの」
「…だって、先輩…──」
体を起こした先輩はあたしの頭を
よしよしと撫でる。
「…そういう顔するから…」
「え…?」
「…何でもねぇよ」
何かを言いかけて止める彼の事が
ますます気になって顔を覗き込むと
先輩はパッと目を見開いた。
「先輩?」
「っ…お前な…」
溜め息をついた彼は立ち上がると
あたしに背を向ける。
「…お前が俺を本気で好きなら
付き合ってやってもいいよ」
「…で、でもっ…」
「うっせぇ。返事以外は聞かねぇから」