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放課後は校舎裏で。
第5章 ✿ 温度
ホテルの部屋を取り、中に入ると
先輩はあたしの体を強く抱き締めた。
「…怖かっただろ。もう大丈夫だからな」
「…先輩…。あったかいです…」
フッと笑った彼はあたしを横抱きにして
ベッドに連れて行く。
「…白石先輩に、怒られちゃいますよ…?」
「…白石?…あいつに何か言われた?」
「…ちょっと、だけ…」
花の香りのするシーツに包まれたあたしに
覆い被さる先輩。そして、あたしの
顔の横に肘を突き、優しく髪を撫でた。
「柚は俺より白石を信じるの?」
「…それ…は…」
「…俺は本当に誰とも付き合ってないよ。
セフレとも完全に縁切ったし。信じて」
額に降り注いだキス。
彼の瞳に吸い込まれるように
自ら顔を近付けると
先輩は微笑んで受け入れてくれた。