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放課後は校舎裏で。
第2章 ❀ 雨
その後、あたしと真美は駅前に寄り道をして
家に帰る事にした。
「もう大丈夫?辛かったら電話してね」
「ありがと。大丈夫だよ」
「よし!じゃあ、また明日ね!」
真美と別れたあたしは雲に覆われた空を
見上げながら、家までの道を
トボトボと歩き出す。
そして、角を曲がった時。
とある光景を目撃してしまった。
「…やだ…。蒼、もっと…」
「…あ?…はいはい」
それは、成瀬先輩と彼女であろう
綺麗な女の人のキスシーン。
あたしは慌てて物陰に隠れ
痛む胸に手を当てた。
「蒼…。今日、家に行ってもいい…?」
先輩が何と答えるかは決まっている。
遠回りになるけど、今日は違う道を
通って帰ろう…。
そう思いながら溜め息をついた時…。