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最後まで
第11章 ―シオン―
男達は母親を見た瞬間、一種の金縛りにあった。
病気がちで外を出歩いていない肌は白く、きめ細やかな陶器のようでシオンのお陰か痩せほそってもいない。
街でも評判の美しさは、儚げで瞳は憂いを帯びている。
年齢よりも若く見える容姿に相まって、熟れた身体にはボロボロの衣服を纏っている。
そこから見える素肌は艶かしく、さながら彫刻のようだった。
「ごくっ」
一人が喉をならす。
戦場に来てから、女からは遠ざかり盛んな若い兵士達は母親に魅了されていった。
ザリッ
一人が歩を進める。
母親は恐怖で顔を歪めているが、それがまたそそられる。