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最後まで
第2章 二人目
ジルとアイクは悲しそうに炭化した少女を見ていた。
「……」
アイクがローブの中から、巨大なカマを取り出し少女の上を一線振るう。
すると、大事そうに抱きしめる格好の素肌の少女が、炭化した少女の上に現れた。
目は硬く閉じられている。
アイクは愛しそうに素肌の少女を抱きしめると、ローブに隠しそこから飛び立った。
ジルは無言でアイクを見送ると、回りを見渡す。
そこは激しく焼きただれ、建物が崩れた瓦礫が折り重なっていた。
戦争の影響で生き物の気配がまるで無い。
荒廃して何年もたっているのに、新しい息吹すら見当たらない。
「毒か…」
ジルの顔が悔しさで歪む。
炭化した人々があちこちで砂に戻ろうとしている。
ジルは少し歩いてみた。