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最後まで
第2章 二人目
かつては大都市と呼ばれたそこは、巨大なビルや沢山の人々で賑わった。
今は見る影もない。
少し瓦礫の上に上がると、一面が見渡せる。
高い建物など全く存在して居なかった。
ジルは俯き、眉を寄せた。
そこには白骨化した人が二つ折り重なっている。
大きい骨はもうひとつの小さな骨に覆い被さり、小さな骨は何かに覆い被さっていた。
ジルは軽く骨を退けてみる。
そこにあった物を見て、目を見開いた。
動物の骨だった。
涙が頬を伝う。
大きい骨には沢山の損傷が見られた。
あちらこちらが砕けている。
不運にもそれだけだった。
それだけを逃れれば、彼らは生きられたかもしれない。
彼らのすぐ近くには、白い欠片が散乱している。
つまり、死んでからもなお攻撃を受けている。
彼らにはそれがなかった。