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最後まで
第15章 シュー
「お前は運よく母さんから産まれた。
そして、俺も。
だから、器として耐えられると思った。」
中和させるのも上手くいくだろうと
そうシューは続けた。
部屋から出て、サシャは心でシューの言葉を思い出していた。
「お前は俺と同じになった。
兄弟達とは違う存在に。
母さんを思うなら、今日の事は心に閉じ込めていろ。」
決して悟られてはいけない。
自分が成長したこと。
異質の存在になったこと。
自分の力が増えたこと。
アイクやジルの思惑のこと。
サシャはギュッと手を握りしめた。
その顔は何かを決意したように凛としている。