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最後まで
第3章 花の部屋
ジルは【花の部屋】と呼んでいる部屋に来ていた。
扉を開けると、相変わらず枯れることのない花々が甘い香りと共に出迎えてくれる。
部屋の中央には、ベッドが置かれている。
そこには、白髪の美しい女性が眠っていた。
あまりにも白い肌は陶器の様に滑らかで、しかし生気がまるで感じられない。
全てが白の彼女は、まるでそこに存在しないようだった。
ジルは彼女の傍らに跪き、彼女の手を拝むように握りしめる。
「…もうすぐだよ。」
そう言うと、彼女の手を握りしめたままベッドに頭を乗せて目を閉じた。
窓の無いその部屋にフワリと風が吹き、ジルの髪を撫でる。
それが彼女に頭を撫でられた様に感じ、ジルは薄く微笑んだ。