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梨華との秘密
第7章 縄肌秘書
 店内に入り、正面のエスカレーターに乗ると、朱里がミニスカートの裾を気にし始めた。
 魅惑的な太腿とスラッと伸びた足が、下から見上げるに値するながめだった。


「どうしたんだい?気になるのかい?ふふふ、片足を一段あげなよ。」


「そ、そんな、できません。」


 朱里が拒絶の言葉をささやくように言ったが、俺は彼女に拒否権がないことを、思い出させることにした。
 携帯の送信を押しながら、


「ふふっ、我慢できるかな?いやならいいんだがね、朱里。」


「やっ、ん、、こ、ここ、で、、いっ、、ん、、。」


 ミニスカートの下からくぐもったヴィヴィー、と鈍い音が響き、彼女の唇から拒絶と同時に、抑えきれない淫らな喘ぎがあふれた。


「いやなら、良いんだよ朱里。お前次第さ。」


 突き放すように言いながら、俺は彼女が従うのを待った。


「なん、で、、ここ、で?んん、、」


 快感に耐えながら、朱里は俺に懇願するような目を向けてきた。


「今夜だけでも一緒にいたいんだろう?いやなら良いんだよ、朱里。」


 突き放すように俺が言うと、羞恥と快感に耐える彼女の瞳に、理性の光がキラリと見えた。
 やはりな、と少しガッカリしながら、携帯の停止を押した。
 二階のフロアに降りながら、そばのベンチに腰を下ろした。


「ご、ごめん、なさい。私、ヤッパリ、できません。ごめんなさい。」


 どうしようかと、少し迷ったが、


「いいよ、いきなりは無理か。しかたないな。車に戻ろう。」


 今夜はこれまでやな。
 あとは、どうしよう?
 迷ったが、取り合えず今夜の予定は全てゼロにして、帰ることに決め、朱里の答えを待った。
 うつ向き加減の彼女が唇を噛み、迷いながら考えているのが、手に取るように俺にはわかった。


「あの、今夜はこのままですか?もう、なにもなく、ですか?」


 思っていた通りの反応だったが、俺はそのまま自分の気持ちを口に出していた。


「うん、そのままってわけにはいかないだろうが、一晩一緒にいるつもりだったが、今夜は帰るよ。婚約者と娘の元にね。」


 わざと彼女を傷つけるように言い放つと、


「あの、このままじゃ、ないって、ことですか?んん、、」


「あぁ、お前の縄を外さなきゃならないからね。」
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