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梨華との秘密
第3章 娘って
 左遷やな。
 どうすべ?


「課長それならいいですね。でも、営業課長補佐はいらないですよ。」


「いらないって、支社長代理だけでいいのか?」


 課長の中に驚きと、何かあるなって言うふうに俺を見ていた。
 深呼吸を一つして、


「課長、一つアイデアがあるんですが、いいですか?どうせ窓際左遷ですからね。退屈しのぎくらいはいりますからね。」


 課長の目が納得したように動き、


「左遷て、わかってるんだ。それなら話は簡単だ。いいよ、話してみなよ。他の同期は本社に帰っちゃったしな。残ってんのは俺とお前だけだし、どんなアイデアだい?」


 やった、同期のよしみってか?


「えぇ、倉敷の観光地としての再生を商工会の若いやつと、知り合いのアーティストを仲間に入れてプロジェクトをやりたいんですよ。」


 課長が、少し驚いた顔で、


「面白そうだな。いいな。俺も噛みたいが、いや、噛ませろよ。」


「いいんですか?課長は四月に、いやそれまででもいいですよ。倉敷リバイバルって名前で考えてます。」


 俺たちはしばらく話し込み、終わったのは十一時を回っていた。
 得意先に連絡を入れ、一時に約束し、会社を出て得意先の近くの喫茶店へ入った。
 携帯に、梨華のメールが入っていた。


「パパ、ありがとう、お仕置き、た・の・し・み。

うふふ。

パパが帰って来るまで待ってます、パパ大好き。」


 やれやれ、今回は大丈夫だな。
 パパ大好きか。
 嬉しい!オヤジか!
 アッ俺、オヤジやん。


「ありがとう、梨華、パパも梨華が大好きだよ。

お仕置き、パパはサドだからね、知らないぞ!

ふふふ、いかんいかん、サドの本能を刺激しちゃだめだよ。

おとなしく待ってるんだ、梨華。」


 やべぇ、小娘に乗せられそうだ。
 やべぇやべぇ、ロリコンは犯罪だ。
 両方のホッペタを二三発たたいた。
 食事を済ませ、タバコを吸ってると携帯の受信ランプが光った。
 三奈からのメールだった。


「パパ、ありがとう。

私が、帰るまでお願いします。

仕事、詰まってて。

梨華をそれまで、お願いパパ。」


 ありゃりゃ、やっぱりかぁ。
 まっ仕事もってりゃしようがないよ。


「ママ、仕事しっかりやっといで、無理はするなよ。

梨華のためにな、俺のためにもね、ママ。」
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