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梨華との秘密
第10章 聖夜の宴
 二人の時間が止まり、全てを忘れさせた。
 唇が離れ、お互いを見つめあいながら、永遠にこのままでいたいと思った。


「ミキ、温まって上がろうか?」


「はい、お父さん。」


 ユックリと立ち上がりながら、彼女の手をとり支え立ち上がらせた。
 浴槽に浸かりながら、


「ミキ、今夜から四人家族だ。ママの三奈、妹の梨華、そして、お前ミキや。今夜、三奈と梨華に奴隷の印を付ける予定やったけんど、お前も三奈と同じ印を付けることにしたわ。」


 奴隷の印という言葉に、彼女の中に小さな驚きが走っていた。


「奴隷の印、つまり、家族の証。けど、梨華ちゃんは違う印なのかな?そう、私、思たけど?違うん、お父さん?」


「うん、三奈とお前は一生、俺のモンや。けど、梨華は自由にさせようと思ってるんや。それに、お前は娘であり、俺の女であり、一生離したくない女なんや。お前を飼育調教したいんや。家畜奴隷としてな。」


 家畜奴隷という言葉に、彼女の返事が微妙に遅れた気がしたが、黙って彼女の返事を待った。


「奴隷の印、嬉しい。けど、家畜奴隷って、言葉が恐い感じするんやわ。お父さん、私、心配なんやけど?」


「恐いかい?そうやわなぁ。心配なら帰ってもええよ。今から、送っていくから。その代わり、これきりや。俺の事も何もかも、忘れて暮らせばいいんやで。ほな、上がったら車の用意するわ。」


 そう言って、俺は浴槽を出て振り向かずに扉に手をかけた。
 扉を開け、浴室を出て身体を拭き始めたが、ミキからの声はなかった。
 俺はガックリすると同時に、ホッとしていた。
 これでいい、これで理恵さんにかろうじて許してもらえるかなと、肩の荷を降ろした気がした。
 身支度を整え、リビングに行くと三奈が素肌にエプロンだけで食事の用意をしていた。


「あら、もう出ていらしたの?ミキちゃんは?」


「うん、これから帰るから、食事は良いよ。あの娘とは、これきりだよ。たぶんね。」


 えっと三奈が驚きの声をあげたが、


「つまり、耐えられないってことなん、あの娘?ご主人様、やり過ぎたんと違うん?」


 アゴが食い違ったような、少し嬉しいような感情が三奈を支配していた。


「うん、ちょっとやり過ぎたかな?まあ、仕方ないよ。経験のない娘に一気に責めすぎたからね。お前にも無理をさせたからね。ごめんな。」
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