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梨華との秘密
第4章 娘との日々
 しばらくすると、梨華の寝息が聞こえてきた。
 三奈が耳元でささやいた。


「ごめんなさい、二郎さん。母娘二人して、あなたを誘惑したみたいで、、。」


 甘い香りが、俺の脳髄を刺激した。


「いや、いいんだ三奈ちゃん。幸せだよ。君とこんな形ででも、もう一度出会えて。」


「嬉しい、でも迷惑じゃなかったの?梨華と私と、三人で同じベッドにいるなんて信じられないわ。」


 ささやくように言いながら、三奈が俺のお腹に右手を置いた。


「三奈ちゃん、梨華がいるからね。君を引き合わせてくれたのは、幸のお陰だと思う。そんな気がするよ。」


 三奈が遠くを見るような目をして、


「私も、そんな気がするわ。二郎さん梨華を見て、姉さんに似てるでしょ。中学生になって、ますます似てきてるの。私の娘なのに、、。」


 ふう~、だよな。
 幸の娘だったら、計算あわないよな。


「三奈ちゃん、梨華が幸の生まれ変わりだなんて思ってないよね。幸に似てるのは、君の方だよ。でも、三奈は三奈だよ。」


 しまった、彼女を呼び捨てにしちまった。


「嬉しい、呼び捨てにしてくれるのね。明日が仕事じゃなきゃ、あなたに抱かれたい。」


 やばい、三奈は本気だ。


「三奈、今夜は眠るんだ。明日のためにね。俺も眠るよ。明日のためにね。」


「そうね、おやすみなさい、二郎さん。クリスマス楽しみだわ。」


「うん、おやすみ三奈。クリスマス、楽しみにしてなよ。」


 言い終わらないうちに、俺の唇は柔らかい濡れた唇で塞がれた。
 俺の舌と女の舌が触れ合い、求めあった。
 だが、それ以上は出来ないことは俺も三奈もわかっていた。
 名残惜し気に唇が離れ、


「ごめんなさい、二郎さん。はしたない真似をして、娘の前なのに、、、。」


「いや、嬉しかったよ三奈。そろそろ、おやすみ。きょうの疲れを取るんだよ。」


「えぇ、そうします。嬉しい。おやすみなさい、二郎さん。」


 俺は、かなりの罪悪感を抱いたが、口が裂けても梨華とのことは三奈には言えなかった。
 三十分ほどすると、三奈の寝息がスースーと静かに聞こえてきた。
 三奈の寝息に引き込まれるように、俺も眠りの世界に落ちていった。
 夜中の三時を回った頃、生理的欲求で、俺は目覚めた。
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