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第10章 エピローグ

「由羽ちゃん！」
玄関の上がり口で由羽ちゃんの首根っこを捕まえることに何とか成功した。

「やあん！」

由羽ちゃんが暴れた拍子に、ポケットから包みが落ちる。

「あッ」

僕の指先をかすめて、小さな手が包みを拾い上げた。

「返して！」
相手は小さな子だというのに大事な物を奪われたことで僕はついムキになってしまう。

「えいッ」

やっとのことで取り返したはいいが、
「ふ…ええ〜ん！」
由羽ちゃんが泣き出した。