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左手薬指にkiss
第2章 籠の鍵の行方

 眩しそうに細めていた目が自分を捕らえた瞬間に見開かれる。
 嬉しそうに、助けを求めるように。
 シャツ一枚の瑞希は、脚を閉じていても下半身が苦しそうに反応しているのが明らかだった。
「瑞希」
「んんっ」
 上擦った声。
 簡単にスイッチを切り換えさせる。
 汗ばんだ首筋を撫でながら猿轡の結び目を解いてやる。
 糸を引きながら布が外れる。
 ハアハアと、吐息だけが響いた。
「せ……んせっ」
 舌が波打つ。
 その顎に手をかけて唇を重ねた。
 すぐに貪りついてくる熱い舌。
 チュク。
 吸い付くように。
 噛みつくように。
 ヤバいね。
 こんなにゾクゾクさせられるなんて。
「ん……はッッ、んむ」
 呼吸の間なんてあげない。
 逝かせてあげる。
 キスだけで。
 ガチャガチャと手錠が鳴る。
 ベッドに固定された手はただ音を立てることしか出来ない。
「んー!」
 眼をぎゅっと閉じて脚をじたばたさせて。
 そんな全力の抵抗すら可愛いとしか感じない。
 咥内の唾液をコクコクと飲みながら瑞希は突然脱力した。
 唇を離すと、ゼイゼイと喘ぎながら焦点の合ってない目をさ迷わせる。
「はっ、あっ……はあっ」
 上唇を舐めて見下すように尋ねる。
「イっちゃった?」
 かあっと顔を赤くして目を逸らすが、それを無理矢理こちらに向けさせる。
 反対の手で余韻に浸るモノを掴んで。
「あっ、ぐ」
 下着の意味が無いほど濡れている。
 つーとなぞるとそれだけでまた苦しげに膨張する。
「せんせ……っ、あ。俺……」
「質問したことにだけ答えてほしいんだけどさ」
 瑞希の表情が変わる。
 怯えるように。

「媚薬……どこから持ってきたの?」
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