この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
左手薬指にkiss
第1章 日常スパイス

 チャラチャラと手錠を回しながら自転車を漕ぐ。
 ちゃんと鍵も確認した。
 解けなくなったらなんて想像しただけでも恐ろしい。
 さて。
 次が第二関門。
 キッ。
 ブレーキを掛けて自転車から降りる。
 手錠はポケットにしまう。
 そして懐かしの校舎を見上げた。
 携帯であらかじめ連絡した人物がもうすぐ来る。
 日曜日だから開いてはない。
 裏門の壁にもたれて空を見上げる。
 晴れてる。
 良い天気だよな、この地域は。
 大学に行ってから身に染みた。
 陽光の大事さ。
「ひーさーしーぶーりー?」
 間延びした声の方を振り向く。
 いや、本当に。
 阿呆だと思うよ。
 俺。
 近づいてきた人影に会釈する。
「……突然呼び出してスミマセン、雛谷先生」
 白衣ではなく、白いタンクトップに黒いシャツを合わせた普段着。
 そのせいか、余り嫌悪感は湧かない。
「先生って云わなくていーよ、瑞希」
 ゼロじゃないけど。

 最寄りの公園まで四分。
 沈黙を耐えきったのちに、俺はようやく口を開いた。
「あの……メールでお願いした件なんですけど」
 声は震えてない。
 大丈夫。
「ああ、うん。一応持ってきたよ~」
 雛谷は全く変わらない。
 化学の授業の時みたいにマイペース。
 それに逆に救われてるのかもしれない。
「でもちょっと驚いたよ」
 でしょうね。

「いくら瑞希の頼みとはいえ……いきなり媚薬くれないかなんてさぁ」

 穴。
 穴があったら飛び込むのに。
 むしろ掘るから。
 埋めてほしい。
 鉄棒に二人で腕を乗せてもたれる。
 端から見たら異様だろう。
「本当にスミマセン……」
/24ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ