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アネゴ的カノジョ
第4章 蘇る本能
どのくらいの時間が経過したのか分からない。
ゆっくりとその場に崩れ落ちる杏子の濡れた体。
「アタシ……アタシ………」
滅多にしない女の子座り。
俯いた儘、右手の指先がゆっくりと唇をなぞる。
強引に重ねられた唇。
無理矢理に唇を割って侵入してきた武彦の舌。
頭では拒否していても、舌は武彦のそれに絡み合っていた。
杏子を淫らにさせるスイッチだった行為。
口調を変えて、淫らな女、女自体である事を忘れようとした筈だった。
しかし、毎月来る生理の苦しみと、必要以上に育った女らしい体がそれを許してはくれなかった。
頭では忘れていた感覚。
強引にキスをされ舌を絡めれば、沸き上がる肉欲に容易く飲み込まれていた過去。
体、本能はその感覚を忘れていなかった。
「アタシ……変わった筈……なのに………」
下唇をなぞる細い指。
唇が僅かに開き、その指先を舌が舐める。
昔は武彦の指にしていた行為。
武彦の指の代わりに、自らの指先に唾液を塗す。
蘇ってくる記憶と感覚に、体がゾクゾクッと震え出した。
「…やっぱり……アタシは………」
唇を開いて二本の指をクチの中へと入れれば、舌が艶めかしく絡み付いていった。