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第6章 面会

「口を慎んでくれ、黒石さん…





キミはいったい何を言い出すんだ…。」







幸久はうなだれた顔を女島鶏魚へ向けた。









「瀧野潤子さんに目が似ている。




本人そのものだとしか思えません。」









医院長は、口元をいやらしく歪めニヤリと笑った。









「黒石さん、余りキミは、出世はしたくないタイプの人らしいね…。





退院し給え！」






女島鶏魚に雇われたと思われた、








女性家庭教師の
今中昧華は、







黒石幸久が車椅子から、







すっくと立っているのを見つめて、







カッと目を見開いた。









「退院しても、特に問題ないのですね…」








不貞腐れた表情に変わった幸久は、








勝手に点滴から伸びた管を、


強引に外した。










「待って下さい…喧嘩はしないで穏やかに話し合いをしましょう。」











見慣れない薄幸そうな人相をした看護師が、








力無く泣き顔で笑う。