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異端視されし者~★なぜ、彼は逃亡者と化したのか!?
第7章 ユートピア(束の間だけの理想郷)
瀧野潤子との面会はうやむやにされ、
女島翼との面会とは言い難い形で引きあわされたが、
当の本人確認はされないままでいた。
もしかしたら、家庭教師の今中昧華が
整形手術後の女島翼かもしれない?と勘ぐったが、
高熱を出している今は、何もかも寝言をぼやいてないで寝ていなさい!
そんなことを説教されるだけのこと。
いつの間にか、入り代わり立ち替わり、
黒石幸久を看護にあたる職員さんが、
老若男女問わず、
個室の中へと入り乱れいた。
2週間後、高熱にうなされていた幸久は、
点滴の瓶から管を通して流れ落ちていく
白く濁った液体が、
腕に突き刺して
テープで堅く留められた部分へ
トクトクと、
腕の静脈へ沁み込む様子を眺めていた。
クスン、グズグズ、
鼻をティッシュでかみ、
個室のVIP病室に、
備え付けられた冷蔵庫から、
ペットボトルに入った麦茶を取り出した。
震える手つきで
冷たい麦茶を喉を鳴らして飲み干した後に、
コンッコンッ、
ドアを誰かがノックした。
「開いてますから、どうぞ…」
幸久が小声で言うと、
「お食事ですよ…」
看護師職員のひとりで
ヘルパーの若い女性が、
カートを押して個室へ入って来た。
「あの…」
ヘルパーの女性は、一目、幸久を見つめて呟いた。
「何ですか?」
女島翼との面会とは言い難い形で引きあわされたが、
当の本人確認はされないままでいた。
もしかしたら、家庭教師の今中昧華が
整形手術後の女島翼かもしれない?と勘ぐったが、
高熱を出している今は、何もかも寝言をぼやいてないで寝ていなさい!
そんなことを説教されるだけのこと。
いつの間にか、入り代わり立ち替わり、
黒石幸久を看護にあたる職員さんが、
老若男女問わず、
個室の中へと入り乱れいた。
2週間後、高熱にうなされていた幸久は、
点滴の瓶から管を通して流れ落ちていく
白く濁った液体が、
腕に突き刺して
テープで堅く留められた部分へ
トクトクと、
腕の静脈へ沁み込む様子を眺めていた。
クスン、グズグズ、
鼻をティッシュでかみ、
個室のVIP病室に、
備え付けられた冷蔵庫から、
ペットボトルに入った麦茶を取り出した。
震える手つきで
冷たい麦茶を喉を鳴らして飲み干した後に、
コンッコンッ、
ドアを誰かがノックした。
「開いてますから、どうぞ…」
幸久が小声で言うと、
「お食事ですよ…」
看護師職員のひとりで
ヘルパーの若い女性が、
カートを押して個室へ入って来た。
「あの…」
ヘルパーの女性は、一目、幸久を見つめて呟いた。
「何ですか?」