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第7章 ユートピア（束の間だけの理想郷）

幸久が応えた拍子に、ヘルパーさんが身構えた。






「熱は下がったのですか？怠くはありませんか？」









奇病が流行っていて、




至極、当然にマスクをしていた。







「黒石幸久さん、
私、誰だか分かりますか？包帯取りました。」







「え？」






幸久はヘルパーさんをじっくり見た。









「包帯を取った後に、
ここで働きたいと、





病院の医院長へ申し出たら採用されました。











暫くは、不慣れな点がありますが、よろしくお願いします！」









確かに以前会った憶えがある、



ような気がする。








だが、マスクをした目の前に居る女性は





いったい誰なのかが、



幸久には、はっきりと分からなかった。