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第8章 奇妙な、物の怪

ちょうど、ラジオ体操の時間で、





ラジカセからは、
ラジオ体操の時間に耳慣れた声と音楽が流れ出している。










入院患者等に混じって、







ラジオ体操をしているフリをしながら、








幸久は鉄柵を乗り越えて脱走した。






（上手く行き過ぎる…）







不安を抱きながら



幸久は走った。









監視カメラで幸久を観ていた






当直の病院職員は、 女島鶏魚病院医院長へ連絡を取ったが、










別の病院へ入院中でまごまごしている内に、








黒石幸久は、
河川敷へ逃げた。







ゼイゼイ、息を切らしながら走り続けた…。







（考えるな、考えるな、考えるな…あの手帳へ









書き記した神社仏閣の立て札へ…









肉筆で書かれた呪文は、、、）









河川敷沿いに潜っそり建てられたお寺の境内で、











集団生活という類に属するモノが、







全て駄目である黒石幸久は、









高校生活に馴染めなかった。






30分程走った後に河川の堤で、









幸久は芝生がまばらにの敷かれている場所へ座ると、







川の向こう岸に視点を見定めていた…。








病院から逃亡を計った訳は、






女島鶏魚病院医院長の殺意と、









無意味だとしか思われない幸久への刺客を、




なぜ？か送り込んでいた事だ。








（うちの親達を未だに憎んでいる輩か？）